近年の災害対応検証の課題一覧

災害名
分類名
フェーズ
件数 620 件
災害名 分類名 フェーズ 課題概要
西日本豪雨 ▲非常時こそ正確な情報に基づいて迅速に判断し、現場や市町村に伝える情報伝達の仕組みを構築することが必要。
西日本豪雨 ▲救助・救出活動を開始した時点で、救助された住民が入る避難所やタオルなどの救援物資を確保する必要があるが、そうした検討をもっと早く開始すべきであった。
西日本豪雨 ▲大雨特別警報が出るような大雨になったときに、県として何をすべきかということが認識されていなかったということが一番の課題。
西日本豪雨 ▲災害対策本部会議が、各部局長からの被害状況とその対応状況の報告に止まっており、各部局が連携して対応方針を決定する場となっていない。
西日本豪雨 ▲災害対策本部事務局の業務の中心が、本部会議のための資料作成(被害情報の収集)に偏っており、災害応急対応のために現在、県として何をなすべきか検討する場としての機能を十分果たしていない。
西日本豪雨 ▲非常体制時には水防本部は災害対策本部に吸収されることになっているが、実態としては縦割りのままで各本部が独自に機能しており、相互の連携が十分とは言えない。
西日本豪雨 ▲水防本部からのFAX情報は、災害対策本部事務局では庶務班がコピーして各班に配布・伝達しているが、内容を読み解く担当者が決められていなかった。また、大量に送信されるFAX情報の中で特に重要なものは、水防本部から災害対策本部へ電話等で注意喚起する仕組みもなかった。
西日本豪雨 ▲水防災意識社会と言われている。ハードばかりでは無理なので、ソフト対策について、土木部局でも一緒に行うようになっている。川の状況などについて、水防本部から災害対策本部に投げかけが必要だったのではないか。少なくとも、庁内で情報共有をする必要があったと考える。
西日本豪雨 ▲DMAT(災害派遣医療チーム)調整本部との連携についても、浸水地域における病院の孤立事案についての情報が、DMAT調整本部から県災害対策本部に伝達されず、消防応援活動調整本部や航空運用調整グループとの救助活動の可能性に関する検討が行われなかった。病院からDMAT調整本部に入った救援物資の要請についても、病院から市災害対策本部へ依頼するようまずは回答し、DMAT調整本部から県災害対策本部への物資の支援要請は迅速に行われなかった。
西日本豪雨 ▲災害対策本部(応急対応班)は、入ってくる被害情報をもとに警察、自衛隊、消防と連携し、必要な救助活動調整を行いながら、自衛隊への派遣要請の手続も迅速に行ったが、市町村災害対策本部や水防本部等との情報共有が十分ではなく、改善の余地がある。
西日本豪雨 ▲発災現場の重要な情報が消防や警察等に入っていたが、県には十分伝わらなかった。こうした情報を県が的確に把握する仕組みを構築するべき。
西日本豪雨 ▲災害対策本部の機能をしっかりするという観点で、被災者支援班が必要になるのではないか。災害対策本部会議の設置のタイミングは良かったが、受援調整部など他にも議論すべきことがあったのではないか。災害対策本部の中で、先を見通した戦略的な対応を検討する機能をより明確にした方がいいのではないか。
西日本豪雨 ▲意思決定のタイミングに遅れがあったとは見受けられないが、受援調整部の立ち上げや救助した後の被災者のための避難所の確保、タオル等救援物資の提供など、被災者支援という観点で、他にも意思決定すべき項目があるとの認識が不足していた。
西日本豪雨 ▲備中県民局建設部が、倉敷市真備地区の地元土建業者に土のうを積むよう指示をしたが、既に溢水し、積める状態でないと報告したとの話を聞いた。かなり危機的な状況が備中県民局建設部には伝わっていたはずであり、こうした情報が県の災害対策本部に集約される必要がある。
西日本豪雨 ▲避難情報の発令が遅いのでないかと考えられるときや被害情報の内容を確認するときは、電話連絡で確認を行っていたが、総社市から救助要請があった6日(金)22時以降は応急対応のため、こうした確認も困難となった。
西日本豪雨 ▲市町村が避難情報を伝達する場合は、防災行政無線、携帯電話の緊急速報メール、県の防災情報システム(Lアラート)など複数の手段を用いて住民に伝達するが、一部の市町村において、緊急速報メールは発信したが、県の防災情報システムへの入力は行われていないケースが発生した。
西日本豪雨 ▲緊急速報メールは、当該地域に所在する住民の携帯電話に向けて発信されるため、県災害対策本部では、岡山市が発信する緊急速報メールしか受領することができず、上記のようなケースを把握することができなかった。
西日本豪雨 ▲岡山市以外のエリアメールが災害対策本部に入らないなら、災害対策本部にいても入ってくるように技術的に入手できる方法を考えるべき。
西日本豪雨 ▲派遣したリエゾンから市町村の対応状況など多くの情報を収集することができたが、リエゾンの役割や業務内容を明確にしていなかったため、派遣した職員の中には自らの役割を十分理解できていない場合もあった。
西日本豪雨 ▲県民局の役割が見えない部分がある。リエゾンは県民局から派遣するが、情報のインプットの機能について、しっかり考えた方がいい。市町村に寄り添う意味では、御用聞きではなく、もう少し積極的な機能を持たせるべき。
西日本豪雨 ▲地方本部(各県民局)でも避難情報の発令についての助言の役割を担うことができれば、よりきめ細やかな助言が可能であると思われることから、今後の改善が必要である。
西日本豪雨 ▲発災前の時点で、避難情報の発令について市町村から助言を求められた場合には、躊躇することなく避難情報を発令すべき旨を助言しているほか、発令の必要性が高いにもかかわらず、特段動きのない市町村に対しては、こちらから連絡を行うようにしている。現在は、主に災害対策本部が判断を行っているが、地方本部(各県民局)でもこうした役割を担うことができれば、よりきめ細かな助言が可能であると考えられることから、今後の改善が必要である。
西日本豪雨 ▲市町村からの救助要請については、県災害対策本部に集まった警察、消防、自衛隊などのリエゾンと災害対応に熟練した県危機管理課参事(自衛隊OB)が中心となって、随時、活動調整会議を行い、救助エリアの分担を行うとともに、情報共有や連携を図ったが、こうした会議の位置づけを明確にする必要がある。
西日本豪雨 ▲国、県、市町村は役割が異なるが、どの地域でどのような被災可能性があるか、防災行動計画(タイムライン)やハザードマップの作成時から同じ場で議論し、共通認識の下でそれぞれの防災戦略を作る必要がある。
西日本豪雨 ▲災害対策本部事務局内に浸水想定区域図は常備していたが、全市町村のハザードマップを常置しておらず、パソコンで確認する必要があった。
西日本豪雨 ▲ハザードマップに基づき、水害が発生した場合に、どういう状況になるかイメージを持っていれば、ある程度、早い段階から動けるように段取りできていたのではないか。
西日本豪雨 ▲越水して破堤に至らないことはまずない。越水すると1~2時間程度で破堤してしまう。どこで越水してもおかしくない状況が上流で発生していれば、それが下流に伝わり破堤することは明白だ。
西日本豪雨 ▲10km~20km上流でどういう状況が起きているか住民が把握するため、水位計を設置し、情報の空白地帯をつくらないようにしなければならない。
西日本豪雨 ▲土砂災害警戒情報の信頼性向上のため、発表基準の更なる精度向上に、引き続き取り組む必要がある。
西日本豪雨 ▲国管理河川及び県管理河川の水防警報について、一部に発表漏れがあった。