近年の災害対応検証の課題一覧

災害名
分類名
フェーズ
件数 620 件
災害名 分類名 フェーズ 課題概要
西日本豪雨 ▲陸閘、水門等について、閉鎖できなかった施設がある。
西日本豪雨 ▲陸閘のうち道路に横断してある施設について、閉鎖の訓練がされていなかった。
西日本豪雨 ▲陸閘について、操作実施者、管理・点検体制が明確でない施設があった。
西日本豪雨 ▲今回の災害については、外力に関して3つの特徴がある。①上流側で氾濫して、その後時間差で、下流側で氾濫するという点、②非常に長時間ゆっくりと水が襲ってくるという点、③一時的な非常に強い雨はないが、じわじわと長く続く雨であったという点。今回、検証を行い、今回のような雨に対応できたとしても、今回とは別の雨の降り方にも対応できなければいけない。過去の事例も、報告書の中には記載しておく必要がある。
西日本豪雨 ▲平成10年には3時間で200ミリ程度の雨が降り被害をもたらした例がある。いろいろな雨の降り方に対応できるようにする必要がある。
西日本豪雨 ▲今回は被害がでなかったけれども、このタイミングでしっかり対応しておかないと次は今回のようにいかないということがある。総社のアルミ工場爆発のことだが、死者はいないが、水に濡れてはいけない物質を扱っている工場がどこにあり、それが浸水想定区域にあるのかどうかを把握しておくことが重要だ。
西日本豪雨 ▲南海トラフ地震が起きれば津波がやってくる。今回の水害をきっかけに、河川沿いはもとより、沿岸部の自主防災組織の活動が重要となるため、自主防災組織の具体的な仕事を明示するなど、活動の活発化に向けた取組を積極的に進める必要がある。
西日本豪雨 ▲今回の水害をそれぞれの地域で工夫して、災害の教訓を風化させない努力が必要だ。
西日本豪雨 ▲今回の出水は、多くの地点で氾濫危険水位を超過しており、これまでの河川整備を上回る大規模な浸水被害が発生するなど、県下の広範囲で決壊や損傷等多数の被害が生じた。決壊した10河川について、主に越水に起因した河川と、主に侵食や洗掘に起因した河川があったことから、復旧にあたっては、それぞれ被災した要因に対応した工法検討が必要である。
西日本豪雨 ▲決壊した河川のうち、河川改修事業を実施中の河川は2河川であり、改修が完了していない箇所で決壊が生じた。その他の河川においても、改修が進んでいない箇所や、局所的に堤防の低い箇所等で、決壊や損傷等が発生した。これまでも河川改修を進めてきたところであるが、河川改修の予算はピーク時の平成7年度頃に比べ大幅に減っており、改修事業が思うように進んでいない。
西日本豪雨 ▲河川整備が終わっていない箇所のリスクや、河川整備が終わっても超過洪水が来るなどのリスクを積極的に住民に知らせていくべきだ。
西日本豪雨 ▲堤防が決壊した箇所は、数十年後でも住民が忘れないよう、石碑などでマーキングをしておくべきだ。
熊本地震 ○年度当初の災害によるマニュアルの不徹底【知事公室】・発災が年度当初の異動直後であり、特に災害対策班員が全員1年目であったため、災害対策本部運営マニュアルの徹底に時間を要した。
熊本地震 ○災害対策本部内の配置計画の不十分さ【知事公室】・国の機関や庁内関係課をはじめ、災害対策本部運営上、予定されていない機関(DPATなど)が防災センター内で活動したため、本来防災センター内に配置すべき物資調達班、県警本部を配置できなかった。また、情報収集グループと広報グループが離れて配置するように計画されていたため、情報共有がうまくできず、報道機関からの問合せ等への対応に支障が生じた。
熊本地震 ○防災センターが10階にあり参集に苦慮【知事公室】・非常用発電機の存在により、停電による支障はなかったが、震度5以上の揺れを感知したため安全装置が作動し、全てのエレベーターが平成28年4月17日まで断続的に停止し、職員が災害対策本部会議の度に階段で防災センターがある10階まで昇らざるを得なくなり、職員の負担となった。
熊本地震 ○国非常災害現地対策本部と県災害対策本部が離れたフロアに設置されたため連携が困難【知事公室】・国非常災害現地対策本部(新館2階)と県災害対策本部が設置される防災センター(新館10階)が離れたフロアに設置されたため、エレベーターが停止する状況では、国と県の連携を図ることが困難だった。また、防災センターが、災害対策本部と緊密に連携すべき知事室(本館5階)や他部局と離れているため、情報連絡が非効率であった。
熊本地震 ○県災害対策本部の配置や内線番号の周知不足【知事公室】・当初、県災害対策本部(防災センター)各班の配置や内線が周知されておらず、情報共有等に時間を要する場面があった。
熊本地震 ○停電時の対策【企画振興部】・非常用電源からの電力供給設定にフロアスイッチ等ネットワーク機器が含まれていなかったため、災害対策本部等において、メールやインターネットによる情報収集できない時間帯があった。
熊本地震 ○情報提供のルールの未設定【知事公室】・「災害対策本部会議後は日に2回情報提供を行うこととしているが、報道機関からは随時の情報提供を求められた。・情報提供の時期の明示や責任者によるぶら下がり対応の設定等、報道機関との情報提供に関するあらかじめルールの設定を発災当初に行っていなかったため、随時の報道対応に時間を要し、情報収集に支障を来たす場面や、報道関係者からの不満が出る場面が多かった。・情報提供の方法(記者室への報道資料提供、プレスルームへの掲示、ホームページへの掲載等)について、発災当初の報道機関への明示や災害対策本部内での情報共有ができていなかったため、報道機関から同じ情報の提供や説明を求められるなど、その対応に時間を要し、災害対応業務に支障を来たす場面があった。
熊本地震 ○報道機関への対応体制の不備【知事公室】・年度当初の震災発生のため、災害警戒本部・災害対策本部の訓練及び行動マニュアルの周知徹底ができていないことにより、行動マニュアル内の報道対応基本指針(※)で想定していた体制を取ることが出来なかった。(※)報道機関へのプレスルームの提供、防災センターへの関係者以外立入規制等・災害情報全般を把握する要員(危機管理防災課及び消防保安課職員)を広報グループに配置していなかったこと等から、報道機関に対して円滑な情報提供ができなかった。
熊本地震 ○情報の公表基準の未設定【知事公室】・死者・行方不明者の情報(住所、氏名、年齢、性別、発見場所及び死因等)の公表基準について、県、市町村、県警本部で統一していなかったため、発表資料に関して報道機関からの疑問が数多く寄せられ、対応に苦慮した。・被害情報の収集基準が示されていなかったため、報道機関からの問い合わせに苦慮した。
熊本地震 ○防災センターに膨大な量の問い合わせが集中し、災害対応に支障を来した【知事公室】・県内外及び報道機関から膨大な量の問い合わせや長時間に及ぶクレーム等が、防災センター及び危機管理防災課・消防保安課執務室に集中し、本来行うべき業務に大きな支障を来した。特に、災害時優先電話の番号が県庁ホームページに掲載されていたことにより、当該番号にも防災関係機関以外からの問い合わせがあり、市町村等とのやり取りに支障を来した。・電話対応については、1件ごとに記録を作成することになっているが、電話が鳴りやまず、緊迫した状況下で、徹底するのは困難であった。
熊本地震 〇担当部署が不明確な問い合わせへの対応に時間を要した【知事公室】・担当部署が不明な外部機関や県民からの問合せの電話が全て防災センターに転送されたため、電話の取次ぎ等の対応に時間を要した。
熊本地震 〇県庁ホームページの情報について改善が必要【知事公室】・県庁ホームページについて、「必要情報が載っていない」、「非常時対応になっていない」、「分かりにくい」等の苦情が多かった。※「平成28年熊本地震に関する県民アンケート」において、約37%の方が「欲しい情報がどこに掲載されているか分からなかった」と回答している。<平成28年熊本地震に関する県民アンケート調査結果>・前震発生後の人命救助や避難所支援などの初動対応をしていたところに本震が発生し、被害が拡大したため、水や食料などの物資支援を要望する情報と死者・行方不明者の情報が防災センターに輻輳し、混乱した。
熊本地震 ○情報の積極的な提供が不足【知事公室】・発災後、段階に応じて県民が必要とする情報の積極的な提供が不足していた。<避難所や自宅で生活する中で、特に必要と感じた情報>(出典)平成28年熊本地震に関する県民アンケート調査結果報告書
熊本地震 〇悪質なデマへの対応で業務に支障を来した【知事公室】・SNS等で発信される悪質なデマや真偽不明な情報に関する住民からの問い合わせ等への対応に時間を取られ、業務に支障を来した。<熊本市動植物園からライオンが逃げたというデマ>
熊本地震 〇膨大な業務の発生・職員数に比して災害対策本部事務局が担う業務量が多く、一人の職員が複数の業務を同時に担当せざるを得ない状況が発生。いずれも業務の優先度が高く、対応に苦慮した。
熊本地震 ○災害対策本部体制の長期化により、勤務体制の編成が困難【知事公室】・災害対策本部の24時間体制が長期化する中、本部業務を担う危機管理防災課及び消防保安課職員の人数が少なく、勤務体制の編成が難しかった。・また、危機管理防災課及び消防保安課の職員のほか、自衛隊や消防などの職員が、夜間に仮眠を取るスペースがなかった。・防災センター用として、水・食料を備蓄していたが、危機管理防災課・消防保安課の職員のほぼ全員が24時間体制で災害対応に当たり、また、自衛隊や消防等の職員も多数待機していたことから備蓄物資は前震発生後すぐに消費してしまい、不足した。なお、このような状況は全庁的に発生した。
熊本地震 ○災害対策本部内の役割分担について、職員間で認識の相違が発生【知事公室】・災害対応本部室に緊急物資の調達・輸送グループを設置するよう定められており、危機管理防災課及び消防保安課職員で対応していたが、物資支援を担当する健康福祉部、輸送を担当する商工観光労働部との役割分担が不明確であったため、協議等で時間を取られる場面が多かった。またプッシュ型支援が開始された際に、仕組みや流れがわからないままに対応せざるを得なかったため、市町村等との間で混乱が生じた。
熊本地震 〇災害対策本部内の一部のグループに業務が偏在【知事公室】・一部のグループに対して、本来の機能・役割に比べて、漸次、他の業務が転嫁されたことで、業務が肥大化し、本部内での役割分担に不均衡が生じた。・通信確保グループは、防災行政無線システムなど技術的に専門性が高く、危機管理防災課情報通信班の技術職員(4名)以外に対応できるものがいない状況の中で、通信確保に加えて、無線、ネットワーク、震度情報、映像等システム全般の障害にも対応しなければならないため、人員が不足した。