近年の災害対応検証の課題一覧

災害名
分類名
フェーズ
件数 620 件
災害名 分類名 フェーズ 課題概要
九州北部豪雨 ◎災害対応業務にあたり、特定の職場に負担が集中した●職員数に比して災害対策本部事務局(防災危機管理局職員)が担う業務量が多く、一人の職員が複数の業務を同時に担当せざるを得ない状況が発生した。(防災企画課)●県災害対策本部の24時間体制が長期化する中、防災危機管理局職員の人数が少なく、勤務体制の編成に困難を来した。(防災企画課)●災害救助法に関する事務は、災害救助法適用の決定、救助に関する関係機関からの問い合わせ、特別基準に関する内閣府との協議など、事務量の多さに加え、発災当初からの対応が必要。これに加え、現場の要望に沿った各避難所への物資支援、要配慮者に対する支援、被災者生活再建支援金・災害弔慰金・災害障害見舞金・県見舞金の支給、災害援護資金の貸付、義援金の受付・配分など、膨大な災害対応業務があり、特定の職場に負担が集中した。(福祉総務課)対応策
九州北部豪雨 ◎情報共有と意思決定がスムーズとなる災害対策本部等の体制・環境整備●今後、大規模災害が発生した場合は、本庁舎3階にある講堂を活用し、防災関係機関と一体となって迅速かつ効率的に災害応急活動を行うことができるよう防災危機管理局(災害対策本部室等含む)を本庁舎9階から3階に移設するとともに、テレビ会議システムの導入等により本部機能の充実を図る。(平成30年度)(防災企画課)81初動対応●県防災・行政情報通信ネットワークの再整備を実施し、あらゆる災害・防災情報を電子データで県出先機関、市町村と共有するシステムを新設するとともに、全国的な災害・防災情報基盤である「Lアラート」と接続し、迅速に広く県民へ情報提供する。(平成30年度)(防災企画課)●大規模災害時には、防災危機管理局職員だけで被害情報収集及び災害対策本部運営を担うのは困難であるため、緊急初動班の積極的な活用を図る。緊急初動班の意識を高め、災害時に即戦力として作業ができるように、研修や訓練のあり方を検討する。(平成30年度)(防災企画課)●大規模災害が発生した際に国や他県等からの応援を円滑に受入れるため、「県災害時受援計画」を新たに策定する。(平成30年度)県災害時受援計画の内容を踏まえ、必要に応じ災害時職員対応マニュアルを改正する。(平成30年度)(防災企画課)●夜間・休日等に災害等が発生した場合の初動体制強化のため、県庁近傍に防災危機管理局長公舎を設置。(平成30年度)(防災企画課)●県災害対策本部の機動力強化のため、災害現地活動用車両及び通信機器等を整備。(平成30年度)(防災企画課)
九州北部豪雨 ◎装備資機材の整備●捜索活動は、炎天下の上、長時間に及ぶため、熱中症対策が必須であった。しかし、活動場所121初動対応によっては日陰等の休息を取るために適した場所がなく、場所を確保するための資機材も保有していなかったため、捜索する部隊の耐久力の低下を招いた。(県警察)●同時多発する被災現場において、被害の規模に応じた数の部隊を投入し、限りある警察力を効率良く運用するためには、各現場の規模を把握する必要がある。各部隊の無線による報告だけでは、各現場の規模を捉えることができなかったため、情報収集のための資機材を整備し、被害の規模に応じた的確な部隊投入を図る必要がある。(県警察)
九州北部豪雨 ◎救出救助隊の対処能力の向上●九州で初めて大雨特別警報が発表され、観測史上最大の大雨によって朝倉市を中心に河川の氾濫や土砂災害等、甚大な被害が発生するなど、今までに経験のない事態が発生した。今後の大規模災害に備え、より専門的で高度な救助に関する知識と技術を習得していく必要がある。(県警察)
九州北部豪雨 ◎災害対応可能車両の配備●白バイやセダンタイプのパトカー、警察の救出救助隊の部隊輸送車両である大型バス等は被災地での活動に限界があることから、災害対応用に高床タイプの四輪駆動車等の配備が必要である。(県警察)
九州北部豪雨 ◎通信手段が警察無線のみに制限された●孤立した地域との通信手段が制限(携帯電話、固定電話、警察電話が使用不可の状態)されたため、連絡・報告等が困難となった。(県警察)
九州北部豪雨 ◎航空運用調整班への複数名の派遣●県警本部地域課航空隊員を県災害対策本部に派遣したが、災害発生から72時間は各機関から最大機数のヘリコプターを投入した救助活動が展開されるため、複数名の派遣がより有効であった。(県警察)対応策
九州北部豪雨 ◎各種装備資機材と救出救助隊の講習受講費の整備●救出救助隊の機動性と耐久性を向上させるため、資機材搬送用二輪車及びタープを整備、リアルタイムで被害情報を収集するためウェアラブルカメラを救出救助隊等に整備、より専門的な知識と高い救助技術を習得し、救出救助隊の対処能力を向上させるため講習受講費の整備に向けて予算措置を推進する。(平成30年度)(県警察)
九州北部豪雨 ◎警察保有車両の効果的運用●豪雨災害に対応可能な車両やモトクロスバイク等を可能な限り災害現場で運用できるように関係所属と調整を行う。(実施中)(県警察)131初動対応自衛隊
九州北部豪雨 ◎災害医療情報システムへの習熟不足●災害医療情報システムへの入力ミス(被害がないのに「診療不可」となっている等)が見られたことから、個別に医療機関等に確認を要した。(医療指導課)191初動対応●被害の発生状況を踏まえ、システムを「警戒」モードから「災害」モードに変更したが、入力情報がリセットされたため、再度、医療機関に入力を要請しなければならなくなった。(医療指導課)
九州北部豪雨 ◎関係部署との所管範囲の調整不足●当課では傷病者の受入や入院患者のある医科医療機関の状況把握を念頭に対応していたため、歯科医療機関の被害状況の把握が遅れた。(医療指導課)
九州北部豪雨 ◎局地災害を想定した、初動対応の検討が必要●「福岡県災害時医療救護マニュアル」は、地震等における対応を想定して策定しているため、今回のように医療機関に大きな被害がなく、応急医療が必要となる傷病者が現地の医療提供体制で対応できないほどに発生していないような場合での活用を想定していない部分があった。このため、DMATの待機要請や派遣のタイミング、医療救護調整本部設置のタイミング、関係団体に対し県庁への参集を求めるタイミング等、局地災害を想定した、初動の運用については別途検討が必要。(医療指導課)
九州北部豪雨 ◎備蓄医薬品等の供給体制の再確認が必要●今回、避難所から要望のあった医薬品については、迅速に供給することができたが、さらに大規模な災害が発生した場合に備え、備蓄医薬品の放出方法等について確認しておく必要がある。(薬務課、福岡県医薬品卸業協会)対応策
九州北部豪雨 ◎災害医療情報システムへの習熟●災害医療情報システムについては、訓練を実施するとともに、別途、毎月定期的に関係者が自主訓練できる機会を提供し、各医療機関のシステムへの習熟を図っていく。(平成29年9月から一部実施済)(医療指導課)●今後、災害運用中における情報システムのモード変更は原則として行わない運用とする。なお、災害フェーズの移行に伴いモード変更を要することとなった場合には、登録済データのバックアップを必ず取る運用を徹底する。(平成29年度~)(医療指導課)
九州北部豪雨 ◎状況把握の徹底●歯科診療所についても、発災直後から保健所及び県歯科医師会を通じての状況把握に努める。(平成29年度~)(医療指導課)
九州北部豪雨 ◎マニュアル見直しの検討●関係者の意見を聞いたうえで、局地災害における運用を検討し、必要に応じて「災害時医療救護マニュアル」の見直しを行う。(平成29年度~)(医療指導課)201初動対応
九州北部豪雨 ◎災害時における医薬品等の供給体制の再確認●災害時における備蓄医薬品の放出方法等について、医薬品卸業協会と再確認を行う。(実施済)(薬務課)●DMAT等の医師が派遣される場合は、県薬剤師会と連携し薬剤師派遣の協議を行う。(平成29年度~)(薬務課)
九州北部豪雨 ◎情報伝達手段の多重化・多様化が必要●孤立した集落において、停電や中継局の破損等により電話が不通となり、情報発信ができなくなった。(防災企画課)●東峰村では、災害により一般の通信手段が途絶したため、県防災・行政情報通信ネットワークが唯一の通信手段となった。県防災・行政情報通信ネットワークの確実な運用が重要である。(防災企画課)●地理空間情報(地図情報)を含め、より見やすく効果的な方法による情報の伝達・共有を行う必要がある。(防災企画課)●朝倉市、東峰村においては、防災行政無線の屋外スピーカーが、停電や流出により放送できなくなる状況になったほか、雨音などにより屋外スピーカーの音声が聞き取れない事例が発生した。(防災企画課)
九州北部豪雨 ◎豪雨災害時の報告対象基準が明確でなく、事前準備ができなかった●県内市町村の行政機能の確保状況の把握及び報告の取組みは、平成28年熊本地震を教訓に国において検討され、平成29年4月に総務省通知が出されたもので、今回の災害が全国初の事例であった。豪雨災害における報告対象の範囲については、明確な基準が示されていなかったことから、今回の災害が報告対象となると考えていなかったため、総務省からの連絡を受け、急遽の対応に追われた。(市町村支援課)
九州北部豪雨 ◎連絡が取れない事態が発生●車載無線も携帯電話も通じなかったため、道路パトロール車の職員と連絡が取れない状態が生じた。(道路維持課)
九州北部豪雨 ◎他部職員、市町村職員における福岡県災害情報収集システムの活用が不十分●システムに投稿された写真は118枚で、そのうち県職員が115枚を登録、市町村職員が3枚を登録した。県職員については県土整備部の職員のみの登録であり、他部職員や市町村職員による本システムの活用が十分ではなかった。(河川課)
九州北部豪雨 ◎コンサルタントとの連携●コンサルタントからの航空写真の提供がなかったら、発災直後の被害状況の把握に時間を要することになる。(河川課)251初動対応対応策
九州北部豪雨 ◎情報収集体制の改善●県防災・行政情報通信ネットワークの確実な運用を行うため、県災害対策本部や本庁舎が使用不能になった場合に代替施設に設置する臨時災害対策本部等においても運用状況を確認できるように、システムの改善を行う。(平成30年度)(防災企画課)
九州北部豪雨 ◎情報伝達手段の多重化・多様化の促進●災害により孤立化するおそれのある地域における通信手段の多重化を図る市町村を支援。(平成30~32年度)(防災企画課)●車載無線の通話可能範囲が広くなるよう県防災・行政情報通信ネットワークの再整備に際して工夫して設計するとともに、車両から取り外して使用できる可搬型の車載無線機を導入する。(平成31年度)(防災企画課)●災害時における確実な情報収集・伝達を図るため、市町村との間で災害・防災情報を、電子データで共有化するシステムを構築。(平成29年度~)(防災企画課)●「県防災・行政情報通信ネットワーク」の主回線を高速・大容量の光回線、副回線を地上無線回線等で二重化するとともに市町村の庁舎が被災した場合に備え、可搬型無線設備を整備。(平成29年度~)(防災企画課)●電子地図上で各種情報を統合するシステムや、テレビ会議システム、災害現場の映像を収集・配信できるシステムを構築。(平成30年度)(防災企画課)●住民等への避難等に関する情報伝達を確実に行うため、市町村に対し「緊急防災・減災事業」や「災害情報伝達手段に関するアドバイザー派遣事業」などの国の支援メニューを活用した戸別受信機や防災ラジオ等の導入を働きかける。(平成29年度~)(防災企画課)
九州北部豪雨 ◎県内市町村の行政機能の確保状況の把握及び報告の対象基準の明確化●豪雨災害等における報告対象となる大規模災害の範囲については、制度の趣旨に照らし具体的な基準を定めておく。また、大雨や台風など、大規模災害発生を予見できる場合は、迅速に対応できるよう事前準備を行う。(市町村支援課)
九州北部豪雨 ◎システムの活用拡大を促進●福岡県災害情報収集システムの利用促進のため、県土整備部、防災危機管理局、農林水産部が連携して、市町村への周知を行う。また、各部局内での活用を促していく。(平成30年度~)(河川課)261初動対応気象庁
九州北部豪雨 ◎情報共有に課題があった●被災後の朝倉市及び東峰村への支援に関する情報の県への共有が一部遅れる場合があった。(気象庁)対応策
九州北部豪雨 ◎県との連携強化●気象台は地域防災を担う一員として、平時から県と連携して更なる市町村支援に取組む必要がある。被災後に気象台が行う市町村支援についても常に県と協議し連携を強化する。(気象庁)271初動対応
九州北部豪雨 ◎被災者目線で分かりやすい情報発信の意識付け●被災者に寄り添った文体で、知りたい情報を分かりやすく説明するページを作成することについて、いかにして全庁的に意識付けできるかが課題。(県民情報広報課)●内容が分かりにくい、情報を見つけにくいなどの意見が県民等から寄せられたことから、7月301初動対応中旬に、文体(専門用語を避けた平易な文章)や各ページの構成(支援の概要、対象者、日時等を順序立てて説明)について、全庁に「情報発信のひな型」を示し、各ページの見直しを図った。(県民情報広報課)
九州北部豪雨 ◎県民等からの問合せ対応について、体制を整備する必要があった●県民等からの問合せが防災部局に集中したことにより、電話対応業務に時間を取られ、本来取り組むべき災害対応業務に一部支障を来した。(防災企画課)