「東京大学駒場リサーチキャンパス公開2021」オンライン開催 ■

6月11日(金)10:00~12:00
深刻化する災害と防災・減災への挑戦-大学からの提案-

巨大地震・津波・火山噴火などのリスクに晒され続ける日本では、台風や豪雨などによりこれまで経験しなかったような大規模で深刻な災害が近年頻発しています。私たちはこのような災害と向き合っていかなければならない宿命にありますが、個々人の努力や意識改革はもちろんのこと、社会構造や産業活動にも大きな変革が求められています。 深刻化する災害にどのように立ち向かえばよいのか、生研と先端研が考える防災・減災へ挑戦する研究について紹介します。

10:00~10:20 オープニングセレモニー
所長挨拶
生産技術研究所 所長 岡部 徹 教授
先端科学技術研究センター 所長 神崎 亮平 教授

10:20~11:10 講演
災害対策への挑戦 最適解を考え、実行できる人材の養成
~災害対策トレーニングセンター DMTC 始動にあたって~

生産技術研究所 沼田 宗純 准教授

多発する自然災害。国難ともいえる大規模な災害に、私たちは総力戦で戦わなければ立ち行かない状況です。しかも、その対策に決まった正解はなく、分野や組織、役割の枠組みを超え、自分で答えを導き、実行する人材が求められます。
そこで、行政・民間企業・各種団体・地域住民までさまざまなセクターで活躍できる人材を育成する新しい研究・教育機関として、災害対策における知識やノウハウを横断的かつ体系的に学び、実践的なトレーニングを提供するDMTC(Disaster Management Training Center)を始動いたします。災害大国日本で暮らす一人として、災害に立ち向かうDMTCの考え方を皆様にも共有いただきたいと思います。

11:10~12:00 講演
顕在化する地球温暖化と異常気象
─その仕組みと防災・減災への備え

先端科学技術研究センター 中村 尚 教授

近年、豪雨・猛暑などの異常気象が世界各地に大きな影響を及ぼしています。実際、2017年までの20年間の自然災害による世界の経済損失額325兆円のうち、実に77%が気候変動によるものとされています。我が国でも平成30年7月の西日本豪雨やその後の記録的猛暑、令和元年台風19号による広域豪雨、令和2年7月豪雨などで多くの人的・物的被害が生じています。こうした異常気象は気候系の自然変動に地球温暖化が重なることで近年顕在化しており、このまま温暖化が進行すれば異常気象による影響が将来さらに深刻さを増すことは避けられません。本講演では、温暖化に伴う異常気象の激甚化の仕組みを解りやすく解説するとともに、将来の持続的な人類の発展を見据え、温暖化抑制に向けた緩和策や防災・減災に向けての適用策について、先端研における取組みについてご紹介します。